SMに興味がある、あるいは始めたばかりの人がよく口にする言葉に、「自分はドSなんです」「私はドMです」という表現があります。
でも実は、フェチやSMの世界で深く関わっている人ほど、この“ド”のつく言葉をあまり使わない傾向にあります。
なぜなら、「ドS・ドM」はあくまで一般的でカジュアルな記号にすぎないからです。
「ドS・ドM」は、嗜好というより“性格ラベル”
テレビやバラエティ番組、SNSなどでよく聞く「ドS」「ドM」という言葉は、本来のSMとは少しズレたイメージを与えてしまうことがあります。
たとえば──
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「ドS=性格がキツくていじわるな人」
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「ドM=いじられて喜ぶ変わり者」
といった認識になっていることも多く、“性格ラベル”として消費されているのが実情です。
でも実際のSMでは、相手との信頼関係やプレイのバランス、心理的な支配・被支配の関係性が重要になってきます。
それは単なる「Sっぽい性格」「Mっぽいノリ」では計れない、深く繊細なやりとりが前提にあるのです。
SMにおける「S」や「M」は、“役割”であり“関係性”

フェチズムやSMの文脈における「S」「M」は、もっと能動的・関係性の中での立ち位置を意味します。
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「S(サディスト)」は、相手に責める快楽を与える側
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「M(マゾヒスト)」は、その快楽を受け取り、楽しむ側
どちらも相手がいて成立する関係であり、演じる責任や技術、配慮が伴います。
「ドSだから何をしても許される」「ドMだから全部耐えられる」といった極端な思い込みは、トラブルのもとになることも。
SMの世界に踏み込むなら、「言葉の違い」を知っておくことから

もちろん、「ドS」「ドM」という表現がすべて間違っているわけではありません。
ただ、それだけで自分の嗜好や欲望を語ろうとすると、本質からズレたコミュニケーションになってしまう可能性があるのです。
たとえば、SMマッチングやパートナー探しの場で「ドSです」と名乗っても、相手は「本当にSMを理解している人かな?」と一歩引いてしまうことがあります。
まずは、自分の内側にある“どんなふうに相手と関わりたいのか”“どんな感覚を大切にしたいのか”という本音に向き合ってみること。
言葉の選び方ひとつで、出会いや関係性の質は大きく変わるのです。
まとめ:言葉より、感覚を伝える
「ドS」「ドM」じゃなくていい。
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「相手を見て指示するのが好き」
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「主従関係に惹かれる」
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「痛みのなかに安心を感じる」
そんなふうに、感覚そのものを表現する方が、フェチズムの世界では伝わりやすいことが多いのです。
“ド”のつくラベルから少し離れて、自分のフェチを言語化していくこと。
それが、本当の意味での「SMの入り口」なのかもしれません。
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