マッチングサービスを運営していると、不同意の身体的接触やホテルへの執拗な誘いに対する女性からのクレームが寄せられることがあります。
問題なのは、そうした行動をとった男性が「相手も嫌がっていないと思った」「同意だと思った」と正当化しようとする点です。
しかし、女性側からすれば、明らかに同意などしておらず、むしろ不快感や恐怖心を抱えていたというケースが多々あります。特に、女性が苦笑いを浮かべたり、恐怖や力の差から明確に突き放すことができなかった場合に「脈あり」と誤解する男性が多いことは、大きな課題です。
本記事では、女性がそのときどのように感じていたのか、男性がどのような行動を取るべきなのかを、実際の体験談や証言をもとに詳しく解説していきます。
「嫌がっていない」は男の幻想──女性がその時感じているリアルな感情
1. 「気持ち悪い」を超えて「吐き気」「恐怖」へ
- 「知り合ったばかりの男性に急に距離を詰められて、すごく気持ち悪かった」
- 「なぜ私の身体に触れてもいいと思ったのか。触られた瞬間に鳥肌が立った」
- 「私がMであり、相手がSであろうと、信頼関係のない人に初対面で強引なリードをされても怒りや恐怖が湧くだけ」
- 「断っているのに何度もホテルに誘われ、初見で『お試しプレイしよう』なんてありえない。女性のリスクをわかっていない」
性的な話題、ボディタッチ、道具の持ち出し──いずれも信頼関係がない状態で行えば、女性からの拒絶反応は当然です。これは好奇心ではなく「生理的嫌悪と恐怖」のレベルであり、男性が思っているより遥かに深刻です。ましてや、女性は「身体を触ればその気になる」なんてことはありません。そのような短絡的なアプローチではなく、時間をかけて信頼関係を構築することで相手も自然と心を開くのです。
2. 苦笑いや愛想笑いは「NO」です
女性は「その場の空気を壊すのが怖い」「相手が怒ったら、なにをされるかわからない」という理由で、本音を言わずに笑顔で対応してしまうことがあります。だが、その裏には明確な拒絶の感情があります。
- 「反応に困って苦笑いするしかなかった。その場をやり過ごすために聞き流していただけ」
- 「相手の体が大きく、力も強いはずなので、」
- 「相手が逆上しそうで、強くと断れなかった」
こうした“無言のNO”を都合よくYESに変換するのは、非常に危険な行為です。
男性が改めるべき5つのポイント
1. 信頼関係がすべての前提である
- SMや恋愛に限らず、性的なやり取りには深い信頼関係が不可欠。
- 初対面での「ホテルの誘い」や「露骨に性的な話題」はアウト。
- 「信頼感・安心感・時間の蓄積」がない相手に“踏み込む”のは自傷行為です。
2. 非言語的なサインを読む力を磨く
- 女性の声のトーンや表情、話題の変え方に敏感になりましょう。
- 「曖昧な返事=OK」ではなく「曖昧=NOかもしれない」と考えるのが誠実さです。
- 苦笑い・話題を逸らす・視線を逸らすなどは、立派な拒否のサインです。
3. 身体的接触や性的アプローチは「段階的」に
- 信頼関係が築けていない段階での手つなぎ、身体を触る、キスなどは絶対にやめてください。
- 「初対面で肩を抱かれた瞬間、寒気がした」「私はあなたの所有物じゃない」といった女性からの声もあります。
- 初見で道具を見せる、性的趣味を高らかに語るのは控えてください。
4. 女性は「ノー」と言えない状況にあることを理解する
- 密室・夜・終電後など、「ノーが言いづらいシチュエーション」を避けましょう。
- そもそも“同意”とは、明確にYESが出ている状態だけを指します。
- 沈黙や笑顔(苦笑いである可能性があります)はYESではありません。
5. 最低限のマナーと知性を持つ
- 過去の女性の話を持ち出さない
- 清潔感のある服装・においへの配慮
- プライバシーへの過干渉を避ける
- 女性の歩くスピードに合わせる、会話のキャッチボールを意識する
まとめ|「嫌がっていないと思った」はあなたの理想でしかない
相手が本当に同意しているのか、不快に感じていないのか──
それを「自分の都合」で決めてしまうことが、最も危険です。
「女性は自分からノーと言わないからOKだと思った」
この発想こそが、多くのトラブルの根源です。
これからの時代、問われるのは「YESのサインを明確に得られているか」。
そして、「相手が不快に感じる可能性を先回りして察知できる感性」です。
女性を尊重し、誠実に向き合うこと。それができないなら、恋愛やSMパートナーシップの舞台には立つべきではありません。